みぞグミBLOG

描いた漫画/読んだものについての感想/日記を置いています。

〔入院日記〕4日目~6日目

1~3日目のつづき。

入院4日目

朝ごはんの前にちょっと気持ちが悪くなり、心配になった。
でも、回復のためにもごはんは全部食べておきたいのでがんばった。

午前中、頭を洗ってもらう。
なんとありがたいことか…。
すごくさっぱりして気持ちよかった。いい匂いもする~♪

頭がさっぱりしたあと、洗濯機を回した。
同じく入院中のおばあさんに洗濯機の使い方を尋ねられたけれど、私は今口がきけないので、身振り手振りに「うーうー」と言うことしかできず、うまく伝えられなかった。
むこうも、私がしゃべれないとは思わなかっただろうなぁ…。
誰が悪いというわけでもないけど少しだけ落ち込んでしまった。
おしゃべりのコミュニケーションがとれないのってこんなにさみしいことだったんだ。
入院中の病棟は、おじいさんおばあさんが多くて、みんな会話を交わしていたり、仲よしになっていたりして、ちょっとうらやましい。
私の病室は3人部屋で、その真ん中に私のベッドがあるのだけれど、右隣のベッドのおばあさんはあまり他の人とは喋らないみたい。傷が痛むのかな?
日中もすごく静かに過ごされている。
左隣の女性は昨日退院していった。

午後、暇すぎてじっとしているのも苦痛に感じる。
せっかく暇なのに、身体が不自由だからできることが限られている。
あまりにも暇なので、洗面所に行き、爪の間に詰まっていた血をブラシを使って洗い出し、めちゃくちゃ丁寧にニベアを塗って指の保湿をする、という行為で暇をつぶした。
そのあと、少しだけ絵を描く元気が出てきたので、おえかきをする。

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夕食後、食べたばかりなのに空腹でクラクラするため、看護師さんに許可をもらって売店でゼリー飲料を買う。
誤算だったのだが、絵を描くとものすごくお腹が空いてしまう。これは困った。どうしよう。
あまり創造的な面が働かないので明日からは軽くデッサンをしようと思っていたけれど、そんなことをしたらますますエネルギーを消費してしまう。
絵を描いていれば暇なんていくらでもつぶせると思っていたのに、私はどうしたらいいんだ。

夜は、1~3時間おきに起きてしまう。
昨日から、少しずつ身体の不調や不便に気がつくようになってきていて、自分ではどうしようもないことに気づいてしまうというのは苦しいことだなと思った。
顔が痛いので、寝返りが打てないのがつらい。
だけど、昨夜は顔が動かせないなりに、痛くない箇所や代わりに動かしておくと楽な場所などを探りながら、少し工夫して寝てみた。
そうしたら、昨日の朝よりは目覚めがよかった気がする。
気がついてもどうにもできないと思うようなことも、より細部まで気づいていくことによって、どうにかできるようになる場合もあるのかもしれない。

入院5日目

昨日、洗面所に杖を置き忘れて部屋に戻ろうとするおばあさんに「うーうー」と声をかけて杖を渡した。
そのおばあさんが、すれ違いざまに「この間はありがとう」と言ってくれた。
その後も、洗面所などで会うと挨拶をしてくれる。
私はしゃべれないけれど、コミュニケーションがとれてうれしい。
でも、しゃべれたらもっと…なんて考えてしまって、残念は残念。

自分のベッドの上にいると、病室の外から
「お見送りしてくるー」「私もう帰るからね」などの声が聞こえてきて、なんだかかわいい。
全面面会謝絶なので、入院しているおばあさん同士の会話だ。
昨日も、「今日退院なのー」「えー、来週も一緒に暮らすんだと思ってたー」などと話してるのが聞こえてきて、なんかいい。
院内にはおじいさんおばあさんが圧倒的に多いけど、みんなずいぶん長く入院されているのかな。
私は10日間の入院でもすごく長いと思ったけれど、他の人からしたら普通なのかもしれない。

ベッドの上で足をたたんでものを描く姿勢が少しつらくなってきた。
今日は日曜日で人も少なそうなので、患者用食堂に移って日記帳を書く。
男性が一人だけいて、パソコンをしている。
日曜日の病院は、人けが少なく、穏やかでいい。
こういうのも、今日だけだろうな。
イスと机があるのはいい。

なんとか低カロリーで描ける絵は1枚だけ描くことができた。

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すごく気に入るものが描けるわけではないけれど、得るものはあるのでちまちまと続けていこう。

退院したら、家で映画でも観たいな。
しゃべることができないので、以前みたいに感想は交わせないけれど、書くこともタイピングすることもできる。違う環境の中で生まれるコミュニケーションというのも面白いかもしれない。
今のこの状況は、つらいにはつらいけれど、毎日何かを発見して、発展させて行ける気もする。
気が滅入ってしまわぬよう、研究者目線で少しでも楽しんでいきたい。

ただ日記帳につらつらと文字を書いていくのも、なかなか面白い。
大した内容はないが。

夜、点滴をしている腕がものすごく痛くなる。
別の場所に点滴の針を移すことになるが、私は血管が細く、他に入りそうな場所が見つからない。
何度か失敗したのちに針が入るが、そこもすぐに痛くなってきてしまう。

看護師さんが電話で主治医の先生に指示を仰ぎに行っているあいだ、スマホで「血管 太くする方法」と検索してみる。
どうやら血管は、栄養と運動によって太く強くすることができるらしい。
これから先、点滴ができなくて生死をさまよう場面もあるかもしれないので、退院後の趣味に血管を太くするための活動も加えていきたい。

結局血管が壊れてもうダメになってしまい、点滴が3日前倒しで中止されることになる。
今後抗生剤は経口で摂り、「栄養面は食事がとれているから大丈夫」とのこと。
とはいえ、これで治りが遅くなっちゃったりしたらどうしよう…と少し不安に思う。
早く良くなるために自分でできることがあるなら何でもしたい。
おもゆももっと食べたい。量を増やしてもらうことってできないのかな。

入院6日目

おなかがすいた。
朝からお絵かきをしてしまったので、消耗が激しい。

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朝、通院の人が来る前に売店に買いに行った鉄分ヨーグルトドリンクを飲んでしまおうかどうか迷ったが、朝食~昼食間は一番時間が短いし、我慢しておく。ペース配分を間違うと大変だ。
ところで、売店ではスポーツドリンクとゼリー飲料と鉄分ヨーグルトドリンクを買ったのだけれど、糖分の摂りすぎが心配。
簡単に手に入って飲めるものって甘いものしかないな。
おかゆドリンクとかみそしるドリンクが売店に売っていたらいいのに。

その後ベッドに栄養士さんが来てくれ、糖分の摂りすぎにはならないから心配いらない、今は口に入れられるもの何でも入れた方がいい、と教えてくれた。
食事の量をもっと増やしてほしいとお願いしたら、びっくりしていた。
この手術を受けた人は、食べたくなくなってしまう人も多く、さらにおもゆが苦手な人も多いみたい。
私はもともとおかゆが結構好きだし、おもゆの塩っ気が美味しいなーと思っていたからよかった。いっぱい食べたい。だって早く回復したいから。

翌日の食事から、流動食(大盛)と書かれた紙と一緒に食事が運ばれてくるようになった。

入院4


つづく