みぞグミBLOG

描いた漫画/読んだものについての感想/日記を置いています。

楽しかった漫画の連載

『すってんてんちゃんお休み日記~休職したって休めません編~』の連載が終わりました。

今まで読んでくださった方、本当にありがとうございます!


自分でも最終話を読んでみて、今、すごくさみしいです。
まだまだつづきが描きたい、とすごく思います。
自分の中ではてんちゃんとナギくんの話はまだまだこれからだ!という感じです。
読んでほしい物語がまだたくさんあります。
最終話の原稿を出してしばらく経ちますが、てんちゃん達のことを考えない日はなくて、日々描きたいことを思いついては「これは描きたいぞ!」とメモをして楽しい気持ちになっています。
本当に勝手なことを言えば、これからしばらく1~2年くらいはてんちゃんの漫画を描いて暮らしたいなと思っています。
なぜかというと、私が今一番自然体で描ける漫画がてんちゃんの漫画だからです。

 

ここ数年の私のSNSを見ている方はご存じかと思いますが、私は思うように漫画が描けなくなってしまった期間が長くありました。
そんな中で、「今の自分には描けない漫画を描こうとしているから、うまくいかなくて苦しいのではないか」というような言葉をかけられたことがあり、それをきっかけに、今の自分が自然体で楽しく描ける漫画ってどういうものだろう?と考えるようになりました。
そうして手繰り寄せた先に、てんちゃんの漫画がありました。

 

親しい人達に読んでもらって感想を聞きながら、てんちゃんとナギくんの短いページのネームをふたつ描き、コミティアの出張編集部に持ち込みました。

そこで、この漫画を一緒に作ろうと言ってくれる編集者さんに出会えました。
編集者さんが、私の描いたものに対する反応と〆切を与えてくれるようになったことで、少しずつ漫画が描けるようになっていきました。
この編集の方は途中で異動をすることが決まったため、最後まで一緒に漫画を作ることは叶わなかったのですが、社会的な関心事が似ている部分があり、私が漫画で描きたいことをよく汲んで尊重してくれる方でした。それによって、「私の漫画って全然だめというわけではない…?」「私のやりたいことって、もしかしたら楽しいことかも…?」と、自分の漫画にわずかに自信が持てるようになってきて、モチベーションが上がりました。

そんなふうに私の人生の空気を変えてくださった方と一緒に漫画を作る機会がなくなってしまったのは悲しかったのですが、当時の編集さんは、今の担当編集さんに縁をつないでくれました。

私はずっと、「こんなふうに漫画づくりを助けてくれる存在がいればなぁ」とイメージしている像があったのですが、それは相手に時間もエネルギーもたくさん使わせてしまうやり方だったので、私の願いが叶うことはまあないだろうな、と思っていました。
でも、今の編集さんは、まさに私が助けてほしかったことを、私が望む形で助けてくれる、「ずっとこんな人と出会いたかった!」と思い描いていたそのままの姿のようなすごい存在だったのです。「こんなに都合のいいことがあり得るのか!?」と若干怖く思いましたが、「つまり…機が熟したってことかもしれない…!?」と思い直し、私のテンションはますます上がっていきました。
編集さんのサポートのおかげで私はネームが描きまくれるようになり、てんちゃんの漫画の連載を始められました。

 

てんちゃんの漫画を連載している期間は、本当に楽しくて最高でした。
毎日漫画のことを考え、毎日漫画を描くというのは、私がずっと夢見ていた生活でした。
一方で、週刊連載は過酷でもありました。私はこんなにたくさん働くのはすごく久しぶりで、身体の準備が全然できていませんでした。なので連載中何度も体調を崩しては編集さんやアシスタントさんに迷惑をかけてしまいました。

14話~15話を描いている頃には風邪をひいてしまい、この時期が一番つらかったです。
15話で最終回を迎えることは決まっていたので、「はやく描き上げて楽になりたい…はやく連載を終わりたい…休みたい…」と思ってしまっていました。

でも、最終話まで描き上げて風邪も治った今、はやくまた週刊連載がやりたいです。
連載中は「つらいからもうやだ。週刊ではやりたくない。」とずっと思っていたのですが、最終話の原稿を出した後、編集さんと連載期間を振り返ってみた時に、「週刊連載ってドライブ感があって楽しかったですね」という話になりました。
今描きたいことをすぐ描いて、すぐ読んでもらえる。もちろん描くのは大変なのですが、やっぱり楽しかったです。

ものすごくつらかったのに、終わってみたらまたやりたくなってるなんて、そんなの漫画くらいなものかなと思います。

ここ数年で一番つらかったことは何かと問われると、この週刊連載と外科手術なのですが、外科手術のほうは「つらかったけどまた受けたいなー」とは全く思わないですからね。でも、漫画の連載はすぐにでももう一回やりたい。不思議ですね。

 

 

今年中には~休職したって休めません編~をまとめた電子コミックスが発売される予定です。その売れ行きが好調だったら、つづきの連載をさせてもらえるそうです。

私はまだまだつづきを描き、それを読んでもらいたいと思っています。
連載は一区切りとなりましたが、もしよろしければ今後も応援をしてもらえるとうれしいです。

ひとりの人間がお休みをするまでの経緯からお休み中の様子、そしてお休みを経てのこれからをえがく漫画ってすごく面白いんじゃないかな、と私は思っています。

 

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てんちゃん漫画の先行きが決まるまで、私はしばらく読み切りの漫画を描くことになりました。
てんちゃんの漫画を描きまくる生活のくせがなかなか抜けず、新しい漫画を描くことになかなか気持ちがついていけていないのですが、描きたいことはたくさんあるのでこちらも楽しみに待っていただけたらうれしいです。面白い漫画が描けるようにがんばります。