みぞグミBLOG

描いた漫画/読んだものについての感想/日記を置いています。

〔日記〕わたしの記憶の中の五反田

五反田に行った。
用事が終わり、トゥジュール デビュテというカフェに入ってみた。
本当はその手前のチェーン店に入ろうかと思って歩いていたのだけれど、なんだか足が向かなくて、横に回ってみたらこのお店があったので地下へつづく階段をくだって入ってみた。
ちょうど男女の二人組がお店を出るところで、店内は店主と私だけになる。
ふだんカウンター席は選ばないけれど、指定されたのでカウンター席の一番はじに座る。読書をするのにちょうどよさそうな照明がすぐ上に吊ってあり、分厚い木の机も気に入り、思ったよりも落ち着ける。
食事を済ませていなかったので、メニューにあるケーキがちょっと気になったけれど、どんなものか分からなかったのでカフェオレだけ注文する。
たぶん牛乳には特にこだわっていないようだけど、コーヒーが美味しい。
ミルクたっぷりなのもよかった。

暗い店内の中、本のつづきをめくって読む。
夜、寝しなに小さなオレンジ色の灯りをつけて本を読むような雰囲気で、集中できた。
見て確かめはしなかったけど、店主のおじいさんも腰かけて新聞のようなものを開いてる気配がする。
このお店を選んでよかったなぁと思う。
少し経ってから、次々とお客さんが入ってくる。
たまたま人の切れ間に私が来ただけで、人気のお店なのかもしれない。
店主のカラッとした接客も心地が良くてくつろげた。
五反田にはめったに来ないけれど、このお店にはまた来たいな。次はケーキも食べてみたい。

たぶん、五反田に来たのは2度目だ。
初めて訪れたのは、もう10年近く前のことだと思う。
当時日雇いの派遣労働をしていて、その時に一度だけ仕事で五反田に行った。
会社に向かう途中、信号が青だったので横断歩道を渡ろうと歩き出したらビューンと車が突っ切ってきたので驚いた。
今より幼かった私は、車も赤渡りすんの!?車がそれしちゃったらすぐ死ぬが!?!?とすごくビビった記憶がある。
そして、五反田にいる車は赤信号でも道路を渡ってくるから、五反田に行くと車に轢かれる可能性がある、というめちゃくちゃ偏った印象を持ったまま10年近くの時が過ぎた。
今日は色々といい思い出ができたので、五反田の印象が変わったな。
ていうか、駅に降りた時からすでに、五反田は記憶の中のものと違っていた。
もっと埃をかぶったような、薄暗い街だという印象だった。
これはきっと、当時の私の心象風景だったのかもしれない。誤解しててごめん、五反田。

カフェを出て階段を上がると、雨が雪に変わっていた。
吉祥寺のジュンク堂書店で、『ゲノム編集って何?フェア』が開催されているとメルマガのようなもので知り、見てみたかったので吉祥寺に向かう。
昨年ゲノム食品についてのニュースを読んでから、「またなんかよくわからない怖いの始まった…」と暗い気持ちになっていて、どこかできちんと知識をつけなければと思っていた折にこのフェアの報せが届いたので、ちょうどいい機会だ!ありがとう!!と思った。
なにかよさそうな本を2、3冊購入して学びたいと思って足を運んだのだけれど、結果として、残念ながらあんまりいい本には出会えなかった。
ゲノム食品を含めたゲノム編集にまつわる本が15冊くらいあり、その全部に目を通してみたけれど、正直「これが選ばれた15冊なのかぁ…」と、少しがっかりしてしまったことは否定できない。
ゲノム編集についての本はまだ多くないのかもしれないし、国外の本もたくさんあるだろうから私が読めるようになるまでにはまだ時間がかかるのかもしれない。それに、正直私はこのトピックについて、「知らねばならない」と義務的に感じているだけであって、別に惹かれているわけじゃない。そして今の時点で知識が薄いことも相まって、何を読んでもう~~ん…となってしまったのかもしれない。
ただ、これって結構重要な話だから、私のような人間でも大枠がつかめるような書籍はあって欲しいとは思ってしまうけれど…。
なんだかどの本を見ても肝心なことが書かれてないというか、「そこじゃない」というか、なんだかピントが合っていないような気がしてもやもやした。私は疑り深い性格だし、この話の性質上、背後にある利害関係のようなものまで勘ぐってしまい、あんまり素直に内容を飲み込めなかったな。
近くを歩いていた書店員さんに、「これで全部ですか?」と聞こうかと思ったけれど、なんかやめた。
これからも引き続き、ゲノム食品についてはアンテナを張っていきたい。

地元の本屋さんでも買えそうな、もとから買うつもりでいた文庫と漫画を3冊買って帰った。